独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

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スタッフに聞く

脊椎外科のメッカ、村山なら何とかしてくれる


金子 慎二郎 (かねこ しんじろう)
村山医療センター 整形外科 医長


kaneko 元院長の大谷清先生の教えから受け継がれている「高いプロ意識を持って脊椎外科領域の医療に取り組む姿勢」。過去の長い歴史に於ける実績から脊椎外科の専門病院として確固たる地位を築いてきたのが村山医療センターであり、特に専門家の間では「脊椎外科のメッカ」と称されてきました。今回は金子医長に話を聞いてみました。


医療は立ち止まらない、進んでいく

聞き手:事前に調べさせていただきましたが、金子先生はかなり多くの研究論文を発表されていますね。手術や外来などの日常診療を活発に行っておられるのみならず、研究・学会活動・論文の執筆・院内の勉強会に至るまで、非常に幅広い仕事を活発にされている。主治医として受け持っておられる患者さんの数も非常に多く、なぜそこまでの仕事をやれるのか、素朴な疑問があります。

金子:研究、学会での活動、論文の執筆が有効な治療方法の開発などに繋がれば、当院に来ることができない患者さんにとってもプラスとなります。良質な研究を行うことによって、現在行われている治療を科学的に評価して改善に繋げていくことも可能になりますから、現在行っている医療の質をさらに向上させていくことにもなります。研究や学会活動なども活発に行っていくことも、我々脊椎外科のプロとしては大事な仕事ではないでしょうか。

患者さんの期待感が後押ししてくれる

kaneko 聞き手:村山医療センターに勤務されている先生方は、高い使命感をもったお医者さんばかりなのでしょうか?

金子:当院に勤務している医師が、非常に高いプロ意識を持って日々の診療を行っているというのは、伝統的に当院で受け継がれている部分だと思います。「脊椎外科のメッカの村山に来れば何とかなる」という患者さんの期待感もそれを後押ししてくれています。

聞き手:患者さんからの期待感が高いということを、村山医療センターに勤務されている先生方はどの様にお感じになっておられるのでしょうか。

金子:当院では「村山医療センターならば何とかしてくれると思ってわざわざ遠くから来た」「脊椎の手術をしてもらうのであれば村山医療センターが一番だと知人から聞いて来た」といった類いの患者さんからの言葉をしばしば耳にします。これらの言葉に込められた意味をしっかりと理解して診療にあたる、というのが我々の基本姿勢だと思って頂ければわかりやすいかもしれません。我々は脊椎外科のプロですからクオリティの高い手術は遂行することが出来て当たり前です。勿論、手術をしなくても改善が期待出来る患者さんも多くいらっしゃいますので、基本的には手術を行うのは手術以外の治療手段を十分に尽くしてからです。それぞれの患者さんにとって最善の方向性で治療を行っていく上で、全員の医師が集まって行うカンファレンスの場で、治療方針や手術を行う場合にはどの様な手術を行うかについて話し合います。先程の御質問にも関係しますが、医師の間でのディスカッションも日々、頻繁に行っていますので、これらの過程の中で、「村山魂」「村山マインド」などと時に称される様な、医師としての高いプロ意識が培われていくのだと考えています。

聞き手:これは適切な質問かどうか、わかりませんが、それぞれの患者さんにあった最善の治療が、必ずしも病院の利益につながる様な保険点数が高い治療、或いは新しい流行(はやり)の治療であるとは限りませんよね。日々の診療の中でその様なジレンマは生じないのでしょうか。

金子:医師免許を与えられた我々医師には多くの裁量権があります。この裁量権はあくまでも、我々医師が、いろいろな意味でブレずに、あくまでも科学的に判断するということを前提としたものです。当院の医師は、そういう意味でも高いプロ意識を持って、ブレずに患者さんにとって最善の治療を行っていくことを基本姿勢にしています。我々の先輩達が築き上げて来た当院に対する患者さん方の信頼・期待感に応えていくべく、質の高い専門的な医療を提供していく、というのが我々の基本姿勢です。病院の利益を最優先したり、単に自分が試してみたい手術を行うといった様な、ある意味、ブレた医療は、その様な患者さん達の信頼・期待感を大きく裏切るものであり、我々の持つ「村山魂」とは大きくかけはなれたものです。村山医療センターは、あくまでも脊椎外科の王道を追求していく施設であり続けたいと我々は考えていますし、仮に世の中で、いろいろな意味でブレた医療が行われていた際には、それらに対して警鐘を鳴らすことも、我々の使命の一つと考えています。

聞き手:今のお答えでいろいろな疑問が解けました。村山医療センター出身の脊椎外科医は、高いプロ意識を持った優れた医師が多いという評判を何度か聞いたことがありますが、それぞれの時代で専門性の高い治療を行い続けて来た村山医療センターの長い歴史の中で、病院内に根付いているこの様な高いプロ意識が、優れた医師達を生み出しているのだということがよくわかりました。

脊椎の専門医は12人

kaneko 聞き手:脊椎外科を専門に選んだ若手の先生方の間で、村山医療センターに勤務することを希望する方々が非常に多いと聞きましたが、その主な理由は何でしょうか?

金子:脊椎外科を専門とするにあたって大事な知識を様々な側面から身に付けていく上で、また手術等の技術的な面でも専門性の高い技術を身に付けていく上では、当院の様な専門性の高い病院でしか学べない部分が多々あります。症例数の圧倒的な多さや、我々の様な専門性の高い病院でしかやっていない様な手術の経験も積めることも、若手の先生達にとっては大きな魅力だと思います。医師としての専門性の高い知識と技術を身につけていくには魅力的な職場ですから、結果としてやる気のある医師が集まります。一般的には、脊椎の専門医はいても1人から2人だけという病院が殆どですが、村山医療センターには脊椎を専門とする医師が現在、12人います。この様な環境の中で医師の間でもディスカッションを重ねながら診療にあたるということは、特に若手の医師にとっては、非常に良い経験になるということだと思います。

聞き手:なるほど。村山医療センター出身で、第一線で活躍する整形外科医が多数おられるということもうなずけます。


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