独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

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新型コロナウイルス抗スパイク蛋白抗体検査


新型コロナウイルス抗スパイク蛋白抗体検査を受けられた方へ

     新型コロナウイルス感染症対策の大きな柱となっているワクチン接種は感染・発症・重症化・死亡いずれにおいても一定の効果があると言われています。しかしワクチンの接種によって体内で作成される抗体の値は個人差があります。ある人は反応が強く、抗体が大きく産生され、また反応が少なくあまり抗体が産生されない人もいます。

     当院で実施した抗体検査は「SARS-CoV-2スパイク蛋白/Total抗体」(LSIメディエンス)を定量的に測定するものです。

     当院では、コナミティー(ファイザー社のワクチン)を接種した約220名の職員を対象に以下の①~⑤のタイミングで経時的に抗体検査を実施してきました。

    • ①1回目ワクチン接種後(2回目接種前)
    • ②2回目ワクチン接種後
    • ③2回目ワクチン接種から約3か月後
    • ④2回目ワクチン接種から約8か月後(3回目接種前)
    • ⑤3回目ワクチン接種後

    結果を別表のグラフに示します。
    1回の接種では上昇は少なく、2回目の接種後大きく上昇します。そして、2回目接種後から約3か月後では約1/2に減少し、さらに、8ヶ月後では約1/5に減少していることがわかりました。もちろん、それでも1回目接種後よりも10倍高い値であり、新型コロナに対する免疫は残っていると思われます。しかし、抗体値が1/5程度に下がってしまうと、変異株に対する予防効果は気になるところとなります。一方、3回目のワクチン接種後を調べると、抗体値は著しい上昇を認め、3回目接種前の値に比較して約50倍、2回目接種直後の値に比較しても10倍高い値となりました。(新型コロナウイルス既感染者の抗体価が100U/ml位とも言われています www.thelancet.com Vol 397 March 20, 2021。また、新型コロナウイルス再感染のリスクは感染後の最初数か月では低いことが報告されています。
    https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0028.html。)
    実際のところどの位の抗体価があれば感染や発症等が抑えられるのかは、明らかになっていません。しかし、ワクチン接種による効果や持続期間を判断する目安になると考えられます。

    新型コロナウイルスのS抗体価の変化

     今回の抗体値検査の結果はいかがだったでしょうか。当院職員の結果のグラフ(横軸が1回目接種からの日数、縦軸が抗体価)に自身の結果を印字してありますので現状を把握して参考にしてください。

    国内や諸外国の状況を見ると、ワクチン接種が完了し、抗体価が上昇したとしても、感染や発症等を100%抑えることは残念ながら難しいようです。多くの人がワクチンを接種し、皆がウィルスと戦う力を備えるまでは状況は変わりません。

    引き続き、マスク着用、手指消毒・手洗い、うがい、3密の回避など、私達にとって習慣になった基本的な感染対策は継続する必要がありますので、今後ともよろしくお願いします。

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