独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

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トピック

腰部椎間板ヘルニアに対する手術治療


腰部椎間板ヘルニア  腰部椎間板ヘルニア

第4/5腰椎椎間板ヘルニア(MRIで→の位置に脱出した椎間版を認めます。)

腰部椎間板ヘルニア

これは正常な腰椎のMRI像です。

どのような場合に手術を考えなければならないのか

腰部椎間板ヘルニアの治療は基本的に手術をしないで内服や安静による保存療法が選択されます。1~2か月で症状は軽快していくことが多い疾患です。当院ではまず内服による治療で様子をみていきます。しかし症例によっては手術治療が優先されることがあります。それではどのような場合に手術を考えなければいけないのでしょうか。

・膀胱直腸障害が発生している。
 特に巨大ヘルニアでは排尿や排便に影響がでてくることがあります。頻尿、開始遅延、残尿感といった症状や、ひどい時には完全に尿が出なくなってしまう(尿閉)ことがあります。
このような時には一刻も猶予なく手術に踏み切る必要があります。
・足の筋力に低下がみられる。
 足首の動きに低下がみられたり、膝に力が入りにくくなったり、ヘルニアがどこにできるかで麻痺の出現する部位は異なります。筋力低下は放置してしまうとたとえ手術をしても症状の残存がありえます。
・仕事を休んでいられない、早期に社会復帰をしたい、早期にスポーツに復帰したい。
 通常、ヘルニアは1~2か月は薬やブロック注射、安静で経過をみます。しかし痛みが強くて、早く治してほしい、あるいは早く社会復帰したい方などは手術治療も考慮されます。

腰部椎間板ヘルニアに対する手術治療

除圧術と固定術の2種類に大きく分類されます。どちらを行うかは症例によって異なります。基本的には除圧術が適応されます。双方のメリット、デメリットを患者さんに説明し、よく相談して決定していきます。
1.除圧術
・LOVE法
 腰椎に後方から侵入し、骨の一部を削りとり、神経の横からヘルニアを摘出します。正中(腰部背側のまんなか)を3~5cmほど切開します。
・顕微鏡視下LOVE法
 手術用の顕微鏡を使用して手術を行います。当院での椎間板ヘルニアに対する基本的な術式です。
・内視鏡視下LOVE法
 細い筒を入れてそのなかからヘルニアを摘出する術式です。症例によって適応を限っています。
手術時間:1時間程度
入院期間:1~2週間

手術用顕微鏡を使用した椎間板ヘルニア摘出術
手術用顕微鏡を使用した椎間板ヘルニア摘出術(顕微鏡視下LOVE法)

2.固定術
・後方侵入椎体固定術
金属のスクリューをいれて脊椎を固定します。下の図は腰椎固定術のなかでも比較的新しい術式であるCBT法です。

手術時間:2時間半程度
入院期間:2~3週間

手術をしたほうがいいのか、それとももう少し経過をみたほうがいいのかは症例によって、症状によって様々です。専門医に相談することが重要です。

 


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