コロナワクチン副反応調査レポート1
医局秘書アルーナの報告
皆さまお疲れ様です。
村山医療センターでは本年2月20日より新型コロナウィルスに対するワクチンの先行接種が行われ、多数のマスコミにより接種状況が報道されました。
接種と同時進行で当院の職員で研究に参加してくれた方にアンケート調査を施行しました。
これまでファイザー社からは副反応の発生状況などが報告されていましたが、日本での研究報告はなかったのが現状でした。多くのこれから接種をうける方々の不安を少しでも軽くできればと、これから当院での経過、ワクチン接種の効果などを順次報告してまいります。今回は第1回としてワクチン接種後の副反応の発生状況を報告させていただきます。
新型コロナワクチンの効果と副反応
- 第1回 ワクチン接種後の副反応について -
先行接種 2回目接種後の副反応について
<発熱、頭痛、倦怠感、局所反応のアンケート調査> 2021年5月12日
治験管理室 我妻亜由美 沼田成美 松下愛美 葛岡朋代
臨床研究部長 吉原愛雄
【結果】
・238名より有効回答を得た。(回収率:92%)
・回答者の人口統計学的特性 (平均年齢:40.9±11歳)
本アンケート結果 | 多施設全体の研究結果1) | |
発熱 37℃未満 | 35% | - |
37.0-37.4℃ | 13% | - |
37.5-37.9℃ | 25% | 16% |
38.0℃以上 | 27% | 22% |
頭痛あり2) | 54% | 53% |
倦怠感あり2) | 79% | 70% |
疼痛腫脹あり2) | 87% | - |
疼痛あり | - | 87% |
腫脹あり | - | 13% |
カロナールの内服有 | 50% | 解熱鎮痛剤として13% |
被接種者(2回目)17,838名対象。
2) 頭痛、倦怠感、疼痛腫脹の程度
①頭痛;128/238名
軽度41%, 中等46%, 重度13%
軽: 日常生活に支障なし
中: 日常生活・仕事の一部に支障あり、薬を要する
重: 日常生活・仕事に支障あり、寝込む、休む
②倦怠感;188/238名
軽度37%, 中等度43%, 重度20%
軽: 日常生活に支障なし
中: 日常生活・仕事の一部に支障あり
重: 日常生活・仕事に支障あり、寝込む、休む
③疼痛腫脹;207/238名
軽度57%, 中等度24%, 重度19%
軽: 押すと痛い程度、気にならない
中: 夜間うずくなど気になる痛みや腫れ
重: 疼痛のため肩を挙げられないなど、動きに制限があった
■自由記載より一部抜粋
・「カロナールをもらっておいたのですぐ対応できて良かった。」
・「カロナールは全く効果がありませんでした。」
・「ロキソニンを服用し、症状は緩和した。」
・「休み前に接種するようにしないと、出勤は厳しい状態であった。」
・「接種の翌日が仕事だったので、大変だった。」
・「楽勝。」
・「想定内でした。」
・「2回目の接種後の副反応が辛かった。再度の投与は検討したいと思う。」
【まとめ】
- 当院では、新型コロナウィルスのワクチン(コミナティ筋注)接種後の健康調査を目的とした先行接種に278名が参加し、全員が2回の接種を終了した。
- 今回、院内の健康管理の一環として、接種後血液検査を実施した259名に 対してコミナティ筋注2回目接種後の副反応についてのアンケートを実施した。
- 238名(回収率 92%、平均年齢40.9歳)から有効な回答が得られた(性別、年齢の分布は、多施設全体の研究と同等であった)。
- 当院では、37.5℃以上の発熱が52%に認められ、多施設全体の研究報告(38%)に比較して高頻度であった。
- 頭痛、倦怠感、疼痛腫脹は、多施設全体の研究報告とほぼ同等であった。
- 当院では、ワクチン1回目接種日にカロナールを配布したが、2回目接種後に 内服した人は50%であった。自由記載欄より、「タイムリーな内服ができ安心感につながった」という意見がある一方、「(カロナールは)効果がなく別の鎮痛薬を 内服した」との意見もあった。
- 「仕事に支障をきたした」という意見が多数みられた。2回目接種後翌日の副反応の出現に考慮した勤務調整が必要である。