独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

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腰椎分離症(分離すべり症)とは


村山医療センター 医局秘書
アルーナ

腰椎分離症(分離すべり症)

病院食 こんにちはアルーナです。

今回の病気のレポートは腰椎分離症についてです。

腰椎の後方部分の椎弓と呼ばれる部分に負担が高度にかかることによって発症する疲労骨折です。特に青年期の過度のスポーツが原因の一つと考えられています。

10ー15歳の男児に多く、初発症状は腰痛のみが多い疾患です。

原則として保存的に治療されますが、下肢痛の強い例、すべり例は手術を要することがあります。


診断

10代の腰痛でスポーツをよくおこなっている場合は分離症の可能性を考慮します。
分離部がはっきりしている場合は単純レントゲン斜位(腰椎を斜めから撮影する方法)が有効です。
より早期の発見にはMRIかCT撮影が必要になります。青年期の場合、症状次第でCT撮影の有無を検討します(被曝を考える必要があります)。

分離部の離解が進行すると脊椎がずれてしまう分離すべり症になっていきます。

治療

急性期:まず安静(スポーツ活動の中止)が重要となります。長い間スポーツを行っていると運動を休むことは苦しい選択になりますが数か月の安静が必要になることがあります。コルセット・ギプスなども急性期には有効です。
症状が落ち着いてから、腰痛体操指導のもとにスポーツに復帰していくことになります。

慢性期:保存治療無効例は固定術が必要になります。金属のスクリューによって脊椎を固定します。
症例によって分離部の固定を行う場合と二つの腰椎を固定する場合(PLIF,TLIF)があります。
当院での腰椎分離症(分離すべり症)に対する手術件数は2016年1月から2017年12月までの2年間で47件でした。

症例

67歳、男性。腰痛と下肢痛による歩行障害あり。第5腰椎分離症。内服治療を行うも軽快せず脊椎固定術を行った。

スポーツ少年の腰痛は放置するべきではありません。またかつて分離症の指摘をうけた患者さんが年齢の進行とともに症状が悪化していくこともみられます。いずれにしても早期発見が重要ですので、専門医に相談して診断をお願いするのをおすすめいたします。

あわせてご覧下さい

松川先生に低侵襲分離部修復術についてお聞きしました。どうぞあわせてご覧下さい。

腰椎分離症(分離すべり症)に対する低侵襲手術法

 

 

 

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